海外「アニメは史上最高に人気なのに」日本のアニメーターが消えていく話、議論が思わぬ方向へ

海外「アニメは史上最高に人気なのに」日本のアニメーターが消えていく話、議論が思わぬ方向へ アニメ・サブカル

英エコノミスト誌が「日本のアニメーターの奇妙な消失」という記事を出しました。アニメは史上かつてないほど世界で見られているのに、それを描く人のほうが業界から消えていく――という内容です。

海外の掲示板で議論の焦点になったのは、新人が育たない構造でした。動画(中割り)のような地味な工程は、原画の間をつなぐ絵を大量に描く仕事です。派手さはありませんが、線の引き方も動きの付け方も、ここを通らなければ身につきません。ところがその工程では生活が成り立たない。結果として若手が入ってこないか、入ってもすぐ辞めてしまう。技能を覚えるための入口が、同時に脱落の場所になっているわけです。

そこから話はAIへ流れました。地味な工程こそAIに任せればいいという意見と、それをやると人が育たなくなるという反論がぶつかります。同じことが自分の業界でも起きた、という証言もいくつか出てきました。

終盤は製作委員会という仕組みへの批判と、「今のアニメは質が落ちたのか」という定番の論争にもなっています。作品名を並べて反論する人もいて、なかなか賑やかでした。

海外の反応

1. 海外の名無しさん

要するに、雀の涙みたいな賃金で働かされすぎていて、誰もやりたがらないってことだろ。AIが食い込みやすい領域にも見える。熟練のアニメーターが重要で思考を要する部分をやって、AIが明らかな部分と中割りを埋める。プログラミングと似ているよ。creativeな才能とAIを使いこなす能力があるなら、そもそもスタジオって必要なのか?

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)

単純作業が消えるのは素晴らしいことだと思うけど、熟練工になるには結局その単純作業が要るんだ。AIが全部自動化するんだから、プログラマーはもうメソッドの書き方を知らなくていい、と言っているようなものだよ。ここでの核心は、AIが得意とする単純作業が、社会のなかで教育的な役割を果たしているということだ。しかも教育だけの問題じゃない。思考をAIに任せるほど自分のスキルは劣化する。直感的にも納得できる話で、繰り返せば経験が積まれて上手くなるけれど、その繰り返しをやめれば、いずれ技能は崩れていく。

3. 海外の名無しさん(>>1への返信)

問題は単純作業をやらなければならないことじゃなくて、それで人並みの生活ができないことだと思う。技能を伸ばすのに必要だと誰もが認めている工程なのに、だ。人並みというのは、自分を養えて、十分に休めるという程度の意味だよ。

4. 海外の名無しさん

AIの画像生成はまだそこまで達していない。ラッダイトだの何だの好きに言えばいいけど、単純に質がよくない。日本のアーティストがアニメ調の絵に注ぎ込んでいる労力と、それに対する報酬を考えると、リテイクにかかる時間まで含めればAIは張り合えないよ。

5. 海外の名無しさん

自分の印象だと、アニメは昔からずっと安く作られてきたと思う。止め絵ばかり、コマ数は少なく、CGが使えるようになったらすぐ導入した。ハンナ・バーベラ級の安さだよ。25年くらい前にそこそこハマっていた頃の印象だけど、今も良くなっていないみたいだね。だから真っ先にAIを使えるところで使うようになるのは、筋としては通っている。

6. 海外の名無しさん

どうせAIがアニメを作るなら、そもそもアニメ産業って要らなくない? 全部なくして、各自が見たい番組を自分で生成すればいい。なんで他人のスロップに金を払わなきゃいけないんだ、自分で作れるのに。経営者やAI推進派は忘れているけど、AIがそのビジネスの需要を満たせるなら、もうそのビジネス自体が要らなくなるんだよ。

7. 海外の名無しさん

賃金の段階は、アーティストとスタジオの交渉ではなく業界横断で決まる傾向がある。声優なんかは3階級に分けられていて、厳格な賃金体系があって残余報酬もない。だから交渉力を持てるのはごく一部だけだ。多くのアニメ声優は、こうした業界の賃金体系が制度化されていないゲームや企業向け動画の仕事で稼いでいる。

8. 海外の名無しさん

『漫勉』という日本のドキュメンタリーシリーズがあって、有名な漫画家に次々インタビューしていく。全員が例外なく、最初の数年にどれだけの仕事量と時間と苦しみを注いだかを語るんだ。見ていてすごく面白いんだけど、同時に業界に近づかないための最高の宣伝にもなっている。

9. 海外の名無しさん(>>8への返信)

「最初の数年」ね。週刊連載だと考えるとかなりきつい。しかも1年ももたずに打ち切られる作品がどれだけあることか。たいていは出来が良くない、つまり人気が出ないという理由でだ。冪乗則がきつく効いた残酷な業界だよ。しかも彼らは成功した側の人間で、道端に落とされた人たちではない。よほどの情熱がない限り、手を出すものじゃない。

10. 海外の名無しさん

それってハリウッドも音楽業界も、なんならスーパーの流通業界も同じでは。中間に立つ者が利益を総取りする構造だ。

11. 海外の名無しさん

興味深いのは「新人アニメーターの育成」の話が、他の業界で起きていることと重なって見えることだ。自分が数十年前にプログラミングを始めた頃は、経験のあるプログラマーが自分の仕事をレビューして助けてくれた。それが80年代の終わりから90年代にかけて消えていった。2000年頃にはもう、新人は放り出されるのが普通になっていた。上の管理職に言ってみたら「採用する人間は自分が何をやるか分かっていることを期待している」と返ってきたよ。製造業でも似たことが起きていると聞く。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)

これが世代全体にどんな悪影響を与えたか、将来の研究を読むのが楽しみだ。若者に技能を身につけてほしいなら、学んでいる間の生活費を払う必要があるということに、そろそろ気づいてほしい。

13. 海外の名無しさん(>>11への返信)

「5か月前に出たフレームワークに5年の経験を求める求人」ってジョーク、覚えてる? あれは「速く動いて壊せ」という思想の一部なんだよ。人を育てなきゃいけないようなら、動きが遅すぎるということだ。そして今はそこにAIのターボまで付けられる。

14. 海外の名無しさん

アニメは史上最高に人気だけど、正直、質はかなり落ちた。異世界ものか、超常+やたら色っぽい女子高生もの(これは正直ちょっと気持ち悪い)ばかりだ。あとは延々と続く昔からの作品。毎年、見る時間に値する作品が減っている気がする。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)

面白いことに、それは2006年の時点ですでに言われていたんだよ。みんなずっと同じことを言い続けていて、それでもアニメは出続けている。今は「同じ予算で10本作って、それぞれ別の委員会が回して、作品が終わる前に金が尽きる」という状態にはまっている。放送局には都合がいいが、作品には最悪で、まともな賃金が必要なアニメーターにはさらに最悪だ。

16. 海外の名無しさん(>>14への返信)

何を言っているんだ、今は黄金期だろ。25年前に西側で見られて、しかも見る価値のあるアニメなんて片手で数えられた。今は? 見つからないなら探し方が足りないだけだ。君が挙げたカテゴリにまったく当てはまらない作品を、思いつくままに挙げてもこれだけある。SPY×FAMILY、ダンダダン、ダンジョン飯、黄泉のツガイ、怪獣8号、ジョジョ第7部、光が死んだ夏、あかね噺。

17. 海外の名無しさん

20歳、年を取っただけじゃないかな。2006年のアニメを当時観ていなくて今初めて観たら、そのほとんどを最後まで観ないと思うよ。「最高の音楽は自分の多感な時期に出た」と言う人たちと、構造は変わらない。

18. 海外の名無しさん

スタージョンの法則だよ。「SFの9割はクズだと言われる。そのとおりだ。SFの9割はクズだ。だが、あらゆるものの9割はクズであって、重要なのはクズではない残りの1割のほうだ」

19. 海外の名無しさん

消費者が感じている質の低下は、製作委員会が金を出し渋り、リスクを取ろうとしない姿勢の影響のほうが大きいと思う。

20. 海外の名無しさん(>>19への返信)

元記事に「製作委員会」という語は一度しか出てこないし、それが何を意味するのか、どう機能して何を変えているのかの議論もない。放送局による買い手独占と比べてどうなのかもない。がっかりするほど表面的だ。賃金や労働時間の統計と逸話を並べているだけで、エコノミスト誌なのに――この市場がどう動いているのか、なぜこの状態が続くのか、好況のさなかに合理的な当事者がなぜ賃金を上げないのかを一度も問うていない。経済学の初歩なら、こういう状況ではアニメーターの数と賃金が伸びるはずなんだけどね。


元ソース: The disappearance of Japan's animators — Hacker News

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